ノースブレインのSHADER GURU with Direct3D10/11にはリアルタイムレイトレーシングのサンプルが付属しています。
ここでは、そのサンプルと有名3DCGソフトである3ds Maxの2014バージョンのレンダリング結果を比較します。
最初に一言
不利な土俵で理不尽に勝負を強いられた3ds Maxに敬意を表し、ここに断っておきます。
VS(対決)とはなっていますが、表現力では(言うまでもなく)3ds Maxのほうが圧倒的に上です。表現力で勝負になるはずもありません。
あくまでも、プリミティブのごく単純なシーンについて比較したものです。
そもそもリアルタイムレイトレーシングとオフライン3DCGソフトは、その役割もパフォーマンスの種類も異なりますので、比較をすること自体ナンセンスです。
それでもあえて”比較”したのは、局所的ではありますが、リアルタイムレイトーレスの表現力は3DCGソフトと遜色がないことを伝えたかったからです。
3ds Maxからすれば、このサンプルのようなシーンは基本中の基本(にも及ばない)超簡単なシーンであり、3ds Maxが通常こなす表現の足元にも及びません。
なお、3ds Max®はAutodesk Inc.の登録商標です。
テスト環境
GeForce GTX 1070, Corei7 6700K 4.0GHz, 32GB RAM
リアルタイムレイトレーシング、3ds Max共に同じPCを使用。
スフィア(球)
スフィアはCGにとって一番単純・簡単なモデルです。レンダリング準備も計算も最も簡単かつ高速に行えるのがスフィアです。
サンプル リアルタイムレイトレーシングの場合。
速さ 858fps
3ds Max 2014の場合
速さ 100fps (1/100sec)
スフィア+プレーン(平面)
サンプル リアルタイムレイトレーシングの場合。
速さ 762fps
3ds Max 2014の場合
速さ 33fps(3/100sec)
スフィア+プレーン、影
サンプル リアルタイムレイトレーシングの場合。
速さ 852fps
3ds Max 2014の場合
速さ 16fps (6/100secs)
スフィア+プレーン、影、反射
サンプル リアルタイムレイトレーシングの場合。
速さ 805fps
3ds Max 2014の場合
速さ 11fps (9/100 secs)
スフィア+プレーン、影、屈折
サンプル リアルタイムレイトレーシングの場合。
速さ 797fps
3ds Max 2014の場合
速さ 11fps (9/100secs)
スフィア+プレーン、影、屈折、光沢
サンプル リアルタイムレイトレーシングの場合。
速さ 796fps
3ds Max 2014の場合
速さ 11fps (9/100 secs)
スフィア+プレーン、影、反射、屈折、光沢
サンプル リアルタイムレイトレーシングの場合。
速さ 823fps
3ds Max 2014の場合
速さ 11fps (9/100secs)
スフィア+プレーン、影、反射、屈折、光沢、テクスチャー
サンプル リアルタイムレイトレーシングの場合。
速さ 654fps
3ds Max 2014の場合
速さ 3.3fps (30/100secs)
当たり前ですが、速さ(fps)だけを比べるとリアルタイムサンプルのほうが圧勝です。
Maxの場合、見た目がリアルタイムのそれと結構変わっています。Lightwaveの場合はリアルタイムとほぼ同じだったのですが、Maxは屈折率(Refraction Index)を同じ値に指定しても結果が異なったり、目に見えないところで”綺麗”に見せる処理をしているようで、素直なレンダリングとはなかなか同じになってくれませんでした。印象としては、簡単に綺麗な絵ができるけど、いざ自分で調整しようとすると難しかったり、あるいは出来なかったりするんだろうなという印象です。
ただMaxはLWよりかなり速いことが分かりました(もちろん、あくまでこのテストシーンの速度です)。意外だったなぁ・・