ノースブレインのSHADER GURU with Direct3D10/11にはリアルタイムレイトレーシングのサンプルが付属しています。
ここでは、そのサンプルと有名3DCGソフトであるLightWave3Dの2018バージョンのレンダリング結果を比較します。
最初に一言
不利な土俵で理不尽に勝負を強いられたLightWave3Dに敬意を表し、ここに断っておきます。
VS(対決)とはなっていますが、表現力では(言うまでもなく)LightWave3Dのほうが圧倒的に上です。表現力で勝負になるはずもありません。
あくまでも、プリミティブのごく単純なシーンについて比較したものです。
そもそもリアルタイムレイトレーシングとオフライン3DCGソフトは、その役割もパフォーマンスの種類も異なりますので、比較をすること自体ナンセンスです。
それでもあえて”比較”したのは、局所的ではありますが、リアルタイムレイトーレスの表現力は3DCGソフトと遜色がないことを伝えたかったからです。
LightWave3Dからすれば、このサンプルのようなシーンは基本中の基本(にも及ばない)超簡単なシーンであり、LightWave3Dが通常こなす表現の足元にも及びません。
なお、LightWave™はNewTek Incのトレードマークです。
テスト環境
GeForce GTX 1070, Corei7 6700K 4.0GHz, 32GB RAM
リアルタイムレイトレーシング、LightWave3D共に同じPCを使用。
スフィア(球)
スフィアはCGにとって一番単純・簡単なモデルです。レンダリング準備も計算も最も簡単かつ高速に行えるのがスフィアです。
サンプル リアルタイムレイトレーシングの場合。
速さ 858fps
Lightwave3D 2018の場合
速さ 10fps (Elapsed Time : 0.1 second )
スフィア+プレーン(平面)
シーンにプレーンを追加します。モデルが2つ以上になることにより、影、映りこみなどを表現できるようになります。
その分計算負荷も高くなっていきます。
サンプル リアルタイムレイトレーシングの場合。
速さ 762fps
Lightwave3D 2018の場合
速さ 10fps (Elapsed Time : 0.1 second )
スフィア+プレーン、影
影を追加します。影は通常のリアルタイムCGでも表現できますが、いくつか問題を内包しています。レイトレーシングだとそれらの問題を考える必要がなくなります。
サンプル リアルタイムレイトレーシングの場合。
速さ 852fps
Lightwave3D 2018の場合
速さ 5fps (Elapsed Time : 0.2 second )
スフィア+プレーン、影、反射
映りこみという意味の反射です。レイトレーシングならでの表現です。
サンプル リアルタイムレイトレーシングの場合。
速さ 805fps
Lightwave3D 2018の場合
速さ 10fps (Elapsed Time : 0.1 second )
スフィア+プレーン、影、屈折
屈折もレイトレーシングならでの表現です。屈折により水やガラスなどがリアルに表現できます。
サンプル リアルタイムレイトレーシングの場合。
速さ 797fps
Lightwave3D 2018の場合
速さ 10fps (Elapsed Time : 0.1 second )
スフィア+プレーン、影、屈折、光沢
光沢は鏡面反射です。反射と混同しやすいので光沢としました。光沢は通常のリアルタイムCGでも簡単に表現できます。
サンプル リアルタイムレイトレーシングの場合。
速さ 796fps
Lightwave3D 2018の場合
速さ 2fps (Elapsed Time : 0.5 second )
スフィア+プレーン、影、反射、屈折、光沢
サンプル リアルタイムレイトレーシングの場合。
速さ 823fps
Lightwave3D 2018の場合
速さ 2fps (Elapsed Time : 0.5 second )
スフィア+プレーン、影、反射、屈折、光沢、テクスチャー
総まとめです。全てを盛り込みテクスチャーも加味します。テクスチャーにより表現の幅がグンと広がるのは容易に想像できます。
サンプル リアルタイムレイトレーシングの場合。
速さ 654fps
Lightwave3D 2018の場合
速さ 0.19fps (Elapsed Time : 5.2 second )
当たり前ですが、速さ(fps)だけを比べるとリアルタイムサンプルのほうが圧勝です。
見た目もそれほど変わらないですが、モデルが透明になるとさすがLightWaveという所が見られます。
次回は3dsmaxと(勝手に)勝負してみます。